
ADHD
ADHD
注意欠陥多動性障害(ADHD)とは、過度な不注意症状や多動性・衝動性症状により社会的な活動や、学業・仕事などに支障をきたしている状態をいいます。日本で行われた疫学調査の一つとして、大人のADHDの有病率は1.65%との報告があります。ADHDでの原因は、本人の努力不足や、育てられ方ではなく、遺伝的な要因や環境的な要因が複雑に関係しているとされています。
不注意
多動性
衝動性
生まれつきの脳の発達の偏りが関係していると考えられており、育て方やしつけによって起こるものではありません。その他、遺伝との関係についての研究が進められたり、脳内の神経伝達物質の関与も明らかになってきています。認知機能や実行機能などにかかわる、脳の前頭葉皮質という部分がうまく働かず、脳内での情報のやり取りが十分に行われていない可能性があります。つまり、脳の機能的な原因により、発達・成熟に偏りが生じ、ADHDの症状が現れると考えられています。かつてADHDの症状は、成長にしたがって改善していくと考えられていました。しかし近年、慢性的な経過をたどることが多いことが明らかになってきました。大人のADHDが注目されるようになったのもこのためです。
ADHDの治療は、環境や周囲の対応の変化を加えながら、意識して訓練を重ねていくことにより、対人関係能力や社会性を身につけていく「心理社会的アプローチ」や、ADHDの症状を抑えて行動のコントロールをしやすくする「薬物治療」があります。日常生活にきたす支障が大きい場合には、早期から薬物療法を行うこともあります。
薬物療法
ADHD(注意欠如・多動症)の治療薬として主に使用されるのは、ストラテラ(アトモキセチン)、インチュニブ(グランファシン)、コンサータ(メチルフェニデート徐放剤)、の3種類です。
(注)院長がコンサータ登録医の資格を有しておりますので処方可能ですが、コンサータ錠に関しましては、ADHD適正流通管理システムに登録されてから処方が可能となります。初診時に処方できない場合もありますのでご了承ください。
心理社会的アプローチ
ADHDの方が自分自身の特性を理解し、生活のリズムを作ったり、スケジュールを決めて自身のセルフコントロールを行います。これらの工夫が、生活環境や人間関係を改善する一歩となります。
また、社会で快く受け入れられる行動、態度とはどのようなものかをしっかりと理解していくことも大切です。対人関係の技能や社会のルールを学び、適切な行動をとることができるような方法を考えていきます。烏丸御池かねみつメンタルクリニックでは、主に心理士によるカウンセリングにて心理社会的アプローチを実践していきます。
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